Dental Park HIROSHIMA

8020 Campaign 8020運動を知っていますか?

噛んでイキイキ健康ライフ

「食べること」は「生きること」の最も基本的な営みです。

食べ物を好き嫌いなく、何でもよくかんで食べていますか?
どんなに栄養豊かな食べ物でも、かむことが不完全では充分に栄養がとれません。
「食べ物を良くかんで食べる」、このことは“味わい”といった味覚のほかにも、我々の口と身体の健康に実に多くの恩恵を与えてくれています。

よくかむことは、食べ物を細かく砕き、唾液と混ぜ合わせて飲み込みやすくするなど、栄養を摂取し生命を維持することはもちろん、ある種の発がん物質の働きを抑制したり、あごの発育や脳の発達、発音への影響、異物・有害物を感じとるセンサーとしての役目など、さまざまな効果があります。

ところが、ファーストフードやレトルト食品に代表される「かまなくてもおいしい食品」の出現により現代人はかむ回数が減り、よくかむということをしなくなりました。

“かまない”、“かめない”、“のみこめない”現代人の口と身体の健康は…。

「噛ミング30(カミングサンマル)」運動

一口で30回以上噛むことを目標とした「噛ミング30(カミングサンマル)」運動を行うことで、脳への血流が増え、脳の働きが活性化します。他にも、あごの発達や肥満防止など、様々な効果が認められています。
食生活を整え、栄養バランスの良い食事をとることを心がけましょう。

日本人の食生活

日本の食生活はこの半世紀で大きく変わりました。
生活が豊かになったおかげで、我々の身の回りにはさまざまな食品があふれています。
生活習慣(ライフスタイル)が変われば食習慣も変わるのは世の常で、軟食グルメ嗜好の現代人は、かむことが少なくなりました。

アメリカを救った日本食

かつてアメリカでは、ガン・心臓病・糖尿病などの成人病が激増しました。時のアメリカ政府は、穀類や野菜、魚などを多くとる日本型の食事に注目し、「日本の食事体系に近づくように」とのスローガンを掲げ、食生活の改善に取り組んだようです。その結果、心筋梗塞による死亡率を15%減少させることに成功しました。

ところが、アメリカがお手本にした日本の食生活は今やすっかり変わりました。
もう一度50年代の日本型食事に戻さなければ、近い将来、日本もアメリカと同じ危機を迎えてしまうかもしれません。

かまない、かめない、のみこめない

日本人の食生活は、昭和30年代を境に大きく変わりました。

美食・飽食と言われるくらい豊かになった食生活…。その反面で、急激な軟食化が進み、その結果生まれてきたのが「かまない・かめない・のみこめない」こどもたちなのです。つまり、かまないと、かめなくなり、さらにのみこめなくなります。

現代のこどもたちの多くは、スリムなあご・細身の顔が増えています。一見、キュートでカッコいい、と思われがちですが、とんでもない!これは、あごの未発達による顔立ちで、かまなくなったためにあごが正常に発育できない結果なのです。

特に最近のこどもたちのあごの発育不全は急激で、かって数千年を経て起った変化が、現代では1~2世代で起きています。このままでは、ますますあごが先細り、歯の数の異常(先天的欠損など)がおこり、かむことができなくなる可能性があります。

ガラスのあご

ボクシング界には、「グラス・ジョー」という言葉があります。“ガラスのようにもろいあご”という意味で、ボクサーとしては致命的で、選手生命にも影響を及ぼします。
スリムなあごの現代っ子もある意味「グラス・ジョー」で、これは単にあごや歯だけの問題ではなく、全身の健康を阻害する大きな問題なのです。

我々の身体はどんなに栄養を与えても、その運動機能が不十分だと正常には発達しません。たとえば、あなたの利き腕はそうでない腕より長く、筋肉や神経もよく発達しているはずです。これはあごでも同様で、口やあご、そして顔面の筋肉や頭蓋骨全体などが正常な大きさに発育・成長するためには、よくかむという運動が欠かせません。かむということは、歯を支える歯周組織だけでなく、顔全体に効果的な運動刺激として伝わり、それらの細胞の活発な代謝を促進するのです。
つまり、しっかりかまないと充分な栄養補給ができないばかりか、物理的刺激による身体の細胞の活性化も弱くなり、また、健康に欠かせない唾液の分泌も減少するなど、さまざまな弊害がおこってきます。

動物はかめなくなると、生存を放棄しなくてはなりません。我々人間も動物である以上、かめなくなると…。
いつまでも健康な生活を送るためにもこどものうちからよくかむ習慣づけが大切なのです。

よくかむことの8大効果

よくかむことは、単に食べ物を体に取り入れるためだけでなく、全身を活性化させるのにたいへん重要な働きをしています。
この“かむ効果”について、学校食事研究会がわかりやすい標語「ひみこのはがいーぜ」を作りました。
弥生時代の人は現代人に比べて、かむ回数が何倍も多かったと考えられているので、卑弥呼(ヒミコ=邪馬台国の女王)も、きっとしっかりよくかんで食べていたのです。

(ひ)肥満を防ぐ

よくかむことにより脳にある満腹中枢が働いて、我々は満腹を感じるのです。よくかまずに早く食べると、満腹中枢が働く前に食べ過ぎてしまい、その結果太るのです。
よくかむことこそ、ダイエットの基本です。

(み)味覚の発達

よくかむと、食べ物本来の味がわかります。人は濃い味にはすぐに慣れてしまいます。できるだけ薄味にし、よくかんで食材そのものの持ち味を味わうよう、心がけましょう。

(こ)言葉を正しく発音

よくかむことにより、口の周りの筋肉が鍛えられ、正しい発音ができるようになります。
また、口をしっかりあけて話すと、人に聴きとりやすい発音になります。

(の)脳の発達

よくかむことにより、脳が刺激を受けて、脳細胞の働きを活発にします。
こどもの知育を助け、高齢者の認知症予防に役立ちます。

(は)歯の病気予防

よくかむことにより、唾液がたくさん出て、口の中をきれいにします。
唾液には、むし歯や歯周病を防ぐ働きがあります。

(が)ガンの予防

唾液の酵素には、発がん物質の発がん作用を弱める働きがあります。
よくかんで、唾液をたくさん出して、がんを防ぎましょう。

(い)胃腸快調

よくかむことにより、消化酵素がたくさん出て、消化を助けます。
よくかんで、胃腸への負担を軽減しましょう。

(ぜ)全力投球

頭やあごを含めた体の軸となる部分が適切に固定されることにより力が出ます。